相続手続は大変

人がお亡くなりになった瞬間から、相続は開始します。

葬儀、埋葬、その他の手続が一段落したら、相続手続を開始するのが一般的です。

中には、葬儀代の支払等で被相続人(お亡くなりになった方)の預貯金を早く払い戻さなければいけない事情をお持ちの方もいます。その場合は、相続手続を一刻も早く進めなければいけません。

ただし、相続手続は一般の方が考えている以上に大変です。

「何から手をつけたらいいかわからない」

「どう進めていくべきかわからない」

という声も、よく耳にします。

相続手続きの流れ

相続に関する手続は、特にいつまでに行わなければいけないという期限の縛りはありません。

ただ、相続の方法や相続税の納税期限が原則として10か月であるため、10か月がタイムスケジュールの目安になっています。

◎相続手続の流れ

①相続人の調査・確定

②相続財産の調査・価格評価

③遺産分割協議・遺産分割協議書の作成

④遺産の処分(名義変更など)

以上が簡単な流れになりますが、遺産分割協議がまとまらない場合は調停や訴訟、相続税の納税がある方は税務署への申告等も必要になります。

①相続人の調査・確定について

相続人の調査は、戸籍を取得することで行います。

被相続人の出生から死亡までの戸籍を取得し、そこから繋がっている配偶者や子、孫、直系尊属や兄弟姉妹などの戸籍で相続人確定に必要な分を取得します。

簡単なようでいて、手続自体は非常にややこしいです。

被相続人や相続人が本籍地を何度も移動していると、戸籍を取得しなければいけない役所が全国各地になります。

役所ごとに戸籍請求が必要で、郵送請求も可能です。

②相続財産の調査・価格評価について

相続財産の調査としては金融機関と不動産が代表的です。

金融機関については、どこに被相続人の口座があるかわかっていれば、照会を行います。わからない場合は、被相続人の住居の近くにある金融機関や以前居住していた地域の金融機関にも照会するなどして調査します。

不動産は法務局で登記簿を確認します。不動産のおおまかな所在しかわからない場合は、市区町村の固定資産税課で名寄帳を確認すれば、被相続人所有不動産が判明する場合もあります。

その他、貴金属や絵画などの動産については、各専門業者に鑑定を依頼します。一般の買取業者で値がつかない場合でも、専門業者で鑑定してもらうと値が付く場合があります。

 

③遺産分割協議・遺産分割協議書の作成

相続人の確定、遺産調査及び評価が済んだら、相続人全員で遺産分割協議を行います。

といっても、相続人が各地に在住している場合では、一堂に会するのが困難です。

相続人の中には、体調を崩されているケースもあります。

その場合は、相続人間で書面を回して、合意すればよいと思います。

電話等で話し合いを済ませ、相続人の1人が話し合った内容で遺産分割協議書を作ります。

その遺産分割協議書に、各相続人が署名・押印を行うのです。

遺産分割協議書に押印する印は実印が基本です。印鑑証明書を添付しておけば、より証拠能力が高まるでしょう。

遺産分割協議書は法的に作成義務はありませんが、作成しておいたほうが、後々の手続がスムーズに進みます。

なお、金融機関によっては独自の様式に相続人全員の記載を求めることがあるため、事前に確認が必要です。

④遺産の処分(名義変更など)

遺産分割が終了したら、金融機関の名義変更や払い戻し、不動産登記、その他動産なども各相続人で分けます

金融機関などは所定の様式に沿って必要書類を揃え、各相続人の署名・押印をして手続します。

不動産登記は、管轄の法務局で行います。

時間をかければ自分たちでもできないことはありませんが、戸籍収集や各種書類作成はかなりの手間です。

必要な場合は、専門家に手続を依頼するほうがスムーズに進みます。